トランプ氏、米兵死亡に「報復」表明 イスラエルはイラン首都攻撃

2026/03/02 07:45 

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 トランプ米大統領は1日、ビデオ声明を発表し、イランに対する軍事作戦でこれまでに兵士3人が死亡したと明らかにした。米中央軍によると、ほかに重傷者が5人出たほか、数人が軽傷を負った。一連の攻撃で米兵の死者が明らかになるのは初めて。

 イランと米国、イスラエルとの交戦は激しさを増しており、イラン国内のほか、イスラエルや中東諸国でも死傷者が相次いでいる。報復合戦が激化する中、収束の糸口は見えていない。

 米軍とイスラエル軍は2月28日からイランに対する爆撃を開始し、最高指導者ハメネイ師を殺害した。

 トランプ氏は米兵の犠牲について「もっと増えるかもしれないが、米国は報復する」と強調。軍事作戦は「全ての目標を達成するまで続ける」と述べた。米兵が死傷した状況などは明らかにしなかった。

 また、トランプ氏は英メディアに対し、軍事作戦の終了まで「4週間程度」かかる可能性に言及した。

 イスラエル軍は1日、首都テヘランやイラン西部などで激しい空爆を実施した。これまでにイラン軍トップのムサビ参謀総長ら軍幹部40人を殺害したとしている。ネタニヤフ首相は1日、「いまはテヘランの中枢を激しく攻撃している。今後数日間でさらに激しさを増すだろう」と述べた。

 イランによる報復も激化している。ロイター通信などによると、イスラエルでは中部ベイトシェメシュで住宅にミサイルが着弾し、少なくとも9人が死亡した。カタールやアラブ首長国連邦(UAE)などへの攻撃も続いており、バーレーンではホテルに着弾し火災が発生。これまでにUAEやクウェートなどでも死者が出ている。

 イランによるとみられる海運への攻撃も相次いでいる。1日にはオマーン沖でマーシャル諸島船籍の貨物船に飛翔(ひしょう)体が着弾し、乗組員1人が死亡した。

 また、イラン革命防衛隊は1日、米空母エーブラハム・リンカーンを4発の弾道ミサイルで攻撃したと主張したが、米中央軍は「ミサイルは空母に接近すらしなかった」と否定した。

 一方、親イラン武装組織の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」は1日、近隣の米軍基地に23回の無人機攻撃を実施したとする声明を出した。こうした組織が活発化すれば、紛争がさらに激化する可能性がある。

 イランではハメネイ師が殺害されたことを受け、体制の基盤固めが進んでいる。ペゼシュキアン大統領は1日、ビデオ声明を出し、後継者が決まるまで最高指導者の職務を代行する臨時指導評議会が発足したと発表。「我々の軍は敵の基地を粉砕する用意がある」と改めて報復を宣言した。

 イランのアラグチ外相は1日、中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」のインタビューで、イラン国内で「憲法上の手続きが進んでいる」と説明し、「一両日中に後継者の選出が行われるだろう」と語った。後継者は聖職者で構成する「専門家会議」で選ばれる。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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