「追悼ヘルメット」選手の失格取り消し申請を却下 スポーツ裁判所

2026/02/14 04:46 

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 ミラノ・コルティナ冬季オリンピックで、同胞を追悼するためのヘルメット使用を理由に失格となったスケルトン男子のウクライナ代表、ウラジスラフ・ヘラスケビッチ選手が、処分の取り消しなどを求めて国際オリンピック委員会(IOC)側を提訴した問題で、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は13日、訴えを却下した。

 CASは、IOC側が失格の根拠とした、「五輪の会場におけるデモや政治的、宗教的、人種的な宣伝活動」を禁じた五輪憲章に基づく指針について「合理的で釣り合いが取れている」と判断し、IOC側の立場を支持した。

 ヘラスケビッチ選手は暫定措置として、CASの監督下で競技に参加できるようにすることなども求めていたが、いずれも却下され、13日夜のレースに出場できなかった。ヘラスケビッチ選手はロイター通信に「CASは私たちを見捨てた。次のステップを考える」と話した。

 ヘラスケビッチ選手は、ロシアによる侵攻で犠牲になったアスリートたちの肖像画入りのヘルメットを12日のレースで使おうとして失格となった。

 CASの発表によると、この裁定を担当した単独の仲裁人は「ヘラスケビッチ選手の追悼の意思と、戦争でウクライナの国民や選手たちがさいなまれている悲しみと荒廃への認識を高めようとする試みに、全面的に共感する」と述べた。

 一方で、指針について、「選手のパフォーマンスに分断のない注目が向けられるようにすることが目的だ」と指摘し、選手が認識を高める機会は競技後の取材エリアや記者会見など他にもあるとして、合理性を認定した。

 審理はミラノで開かれ、ヘラスケビッチ選手と父親も出席した。【ミラノ福永方人】

毎日新聞

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