ウクライナのゼレンスキー大統領は２９日、プーチン露大統領の地方公邸にウクライナ軍が無人航空機（ドローン）で攻撃を試みたとするロシアの主張に対し、「ロシアのうそだ」と反論した。

　ロイター通信によると、ロシアのラブロフ外相は２９日、露北西部ノブゴロド州のプーチン氏の地方公邸をウクライナ軍が９１機のドローンで攻撃しようとしたと発表した。攻撃は２８日夜から２９日にかけてあり、ドローンは防空システムで迎撃されたとしている。

　ゼレンスキー氏は２８日にロシアとの和平案を巡ってトランプ米大統領と会談したばかり。ロイター通信によると、ゼレンスキー氏はロシア側の主張に対し、記者団に「ウクライナと米国の協議の進展を妨げようとしている」と非難した。また、ロシアがウクライナの首都キーウや政府庁舎を攻撃するための準備をしているとも主張し、「ロシアは口実を探している」と述べた。

　ウクライナのシビハ外相は「ウクライナ軍は軍事目標しか攻撃しない」とソーシャルメディアへの投稿で強調した。

　ロイター通信によると、トランプ氏は２９日にあったプーチン氏との電話協議でこの「攻撃」について知らされたといい、記者団に対し「憤慨した」と述べた。和平案を巡る今後のウクライナと米国の協議に影響する恐れもある。【ベルリン五十嵐朋子】