在ルーマニア米軍を縮小へ 数百人規模削減か ルーマニア国防省発表

2025/10/30 09:55 

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 ルーマニア国防省は29日、米国がルーマニアと北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、ルーマニアに駐留する米軍の規模を縮小する方針を通知したと発表した。トランプ米大統領は欧州の安全保障への関与を弱める考えを示してきたが、欧州からの部隊の撤収が具体的に通知されたのは初めてとみられる。

 国防省の発表によると、米国はNATO東方に展開する部隊の一部を撤収させる方針。その中にルーマニアの空軍基地に派遣されていた部隊も含まれているという。削減人数は不明だが、今後も約1000人の米兵が残る。独DPA通信によると、ルーマニアには今年初めの時点で1700人が駐留していた。

 DPAなどによると、ルーマニアのモシュテアヌ国防相は29日、記者団に対し「米国との協力関係は強固でありつづける」と強調した。米側からは「自国の防衛に注力する」と伝えられたとも述べた。削減の方針は今年2月に示されていたという。

 米軍も29日、「(集団的自衛権を規定した)NATOの条約第5条への関与を弱めることを意味しない」との声明を発表した。

 2022年のロシアによるウクライナ侵攻開始以降、バイデン前米政権は東欧の米軍を増強させた。だがトランプ政権は欧州の防衛には欧州が責任を持つことを求め、縮小を示唆してきた。欧州のNATO加盟国も米国の関与の低下を見越し、東方防衛を強化している。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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