米トランプ政権、次期国連トップにSDGs拒否期待か

2025/10/25 10:53 

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 2026年末で任期を終える国連のグテレス事務総長の後任ポストについて、米国の代表は24日の安全保障理事会で「国連憲章の目的から外れたイニシアチブを拒否」する人物を期待すると述べた。米トランプ政権は、かねて国連は創設目的である「国際の平和と安全」に注力すべきだと訴え、持続可能な開発目標(SDGs)や気候変動への国連の取り組みを否定している。

 事務総長の選出には安保理による勧告が必要で、拒否権を握る常任理事国5カ国(米英仏中露)の意向はプロセスに絶大な影響を及ぼす。

 国連内部や加盟国では、次期事務総長に初の女性待望論が強まっている。米国のシェイ次席大使は、この日の会合で「可能な限り幅広い候補者の中から、純粋に実力主義に基づき選出すべきだ」と述べ、地域の持ち回りなどもけん制。国連人事でもトランプ政権の「反DEI(多様性、公平性、包摂性)」を押し通す可能性を示唆した。

 次期事務総長選びの手続きは、年内に安保理議長と総会議長が立候補者の受け付け開始を伝える共同書簡を加盟国に送付することで正式に始まる。これまで、アルゼンチン出身で国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長、チリのバチェレ元大統領らの名前が挙がっている。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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