カタール首長「イスラエルは戦争続けたがっている」 国連総会で演説

2025/09/24 09:39 

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 カタールのタミム首長は23日、国連総会の一般討論演説で、イスラエル軍が首都ドーハを空爆したことについて「国家によるテロ」だと改めて指摘した。イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区で多数の民間人の犠牲を出しながらイスラム組織ハマスとの戦闘を継続していることを「ジェノサイド(集団虐殺)」と表現。「それを終わらせるための外交努力を台無しにした」と非難した。

 イスラエルは今月9日、ドーハでハマスの交渉団を標的に空爆を行った。交渉団を率いる幹部は無事だったが、ハマスのメンバーら6人が死亡したほか、18人が負傷した。

 タミム氏はイスラエルについて「交渉を続ける一方で交渉団を暗殺しようとした。そうしたメンタリティーを持つなら、協力は不可能だ」と強調。「イスラエルはガザを破壊し、住民を退去させるために戦争を続けたいと考えている。入植地を拡大し、現状を変更する機会だととらえているのだ」と非難した。

 一方、「我々は外交を続ける」とも語り、引き続き米国やエジプトと協力して停戦交渉を仲介する意向を示した。また、国連総会に合わせてパレスチナ国家承認を表明する国が相次いだことを巡り、「承認は道義的に重要なだけでなく、暴力は大義を消すことはないというメッセージになる」と歓迎した。

 一般討論演説はこの日が初日だったが、カタールのほかにも、インドネシアやトルコなど多くの首脳がガザ情勢に言及し、即時停戦などを求めた。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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