「政治家に金渡したことない」旧統一教会・韓総裁、逮捕状審査で否認

2025/09/22 20:42 

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 韓国のソウル中央地裁は22日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁(82)に対する逮捕状の発付の是非を決める審査を実施し、韓氏も出席した。特別検察が18日、政治資金法違反などの疑いで逮捕状を請求していた。発付されれば、韓氏は逮捕、収監される。韓国メディアによると、23日未明までに発付の是非が決まる見通し。

 韓氏は22日、黒いジャケットと黒いズボン姿で、車椅子に乗って裁判所に現れた。記者団の質問に答えず、うつむいたまま法廷に向かった。教団関係者や、韓氏の後継者とされる2人の孫も姿を見せた。

 特別検察は、約420ページの意見書と約220ページの説明資料を提出し、逮捕の必要性を訴えた。韓国メディアによると、韓氏は「政治に関心がなく、政治家に金を渡したことはない」と訴えたという。審査は約5時間で終了。韓氏は裁判所の判断が出るまでソウル拘置所で待機する。

 ソウル中央地裁が請求を棄却すれば、韓氏は自宅に戻る。その場合、特別検察は韓氏の在宅起訴を目指すとみられる。

 韓氏は17日、任意の事情聴取に対し、容疑をおおむね否認していた。また教団側は「逃走や証拠隠滅の恐れがない」などとして、逮捕状請求を棄却するよう求めている。

 韓氏は2022年、教団の当時の幹部、ユン・ヨンホ被告=請託禁止法違反罪などで公判中=と共謀し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領(64)=内乱罪などで公判中=の妻や側近に金品を渡した疑いがある。特別検察は、教団側が見返りとして、22年5月に大統領に就任した尹氏側に教団の事業などを巡って便宜を図らせた疑いがあるとみている。

 韓氏は、旧統一教会を創始した文鮮明氏(12年に死去)の妻。文氏の死後、総裁となった。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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