仏新首相に39歳ルコルニュ氏 大統領側近、3年半で5人目の首相に

2025/09/10 19:55 

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 フランスのマクロン大統領は9日、側近で国防相のセバスチャン・ルコルニュ氏(39)を新首相に任命した。バイル前首相が国民議会(下院)での内閣信任投票の否決を受けて辞任していた。ルコルニュ氏は10日就任した。政党間で対立が続く2026年度予算の成立が喫緊の課題で、各政党からどこまで協力を得られるかが組閣の焦点となる。

 ルコルニュ氏は中道右派・共和党の出身で、マクロン氏が初当選した17年大統領選後に離党し、マクロン氏の中道政党に合流した。マクロン氏の信頼が厚く、第1次政権以来ただ一人、入閣を続けた。24年には極右・国民連合(RN)の指導者、マリーヌ・ルペン氏と秘密裏に会談したことなども報じられており、古巣の共和党やRNとの協力を模索するとみられる。

 22年5月からの第2次マクロン政権下の首相は、ボルヌ、アタル、バルニエ、バイル各氏に続き5人目。仏下院は24年6~7月の総選挙でどの勢力も過半数に達せず、予算案など重要政策を巡る対立で不安定な状態が続いている。

 バイル氏は信任投票で約440億ユーロ(約7兆5000億円)の支出削減策を盛り込んだ緊縮型の予算案の是非を問うたが、中道左派・社会党やRNなどの支持を得られなかった。社会党はマクロン氏が推進する企業優遇策などに反対しており、バイル氏は協力の調整に失敗していた。【ブリュッセル宮川裕章】

毎日新聞

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