トランプ氏、インドに25%の追加関税 ロシア産原油購入巡り

2025/08/07 00:00 

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 トランプ米大統領は6日、ウクライナに侵攻しているロシアに対する制裁の一環として、露産原油を大量に購入しているインドに対して、25%の追加関税を課す大統領令に署名した。原油の輸出はロシアの戦費調達の財源になっているとされ、ロシアに停戦の受け入れを迫る米政権が圧力を強めた格好だ。一方、インド側は反発しており、両国の亀裂が鮮明になっている。

 トランプ氏は大統領令で、ロシアの行動や政策が「米国の安全保障や外交政策に対して極めて深刻な脅威を与え続けている」と指摘。これに対処するため、インドへの追加関税が「必要かつ適切な措置だと判断した」と説明した。

 追加関税の発動は21日後で、猶予期間を設けた。トランプ氏は7月31日の大統領令でインドへの相互関税を25%と設定しており、今回の追加関税はこれに上乗せされる形となる。追加関税発動後の対インドの関税は計50%となる見通しだ。

 トランプ氏はこれまでインドに対して、「彼らはウクライナでどれだけの人々が殺されているかなど気にも留めていない」「(ロシアの)『戦争マシン』に燃料を供給している」などと厳しく非難し、露産原油の購入を停止するよう迫ってきた。

 一方で、インドは露産原油の購入を継続する構えで、米側に反発。今回の追加制裁に関しても、インド外務省報道官は6日の声明で「不公正かつ不当で、合理的ではない」と批判し、「インドは国益を守るため、必要なすべての措置を取る」と強調した。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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