豪の新型艦に「もがみ型」改良型採用 加速する日本の武器輸出戦略
オーストラリア政府は5日、2030年の運用開始を目指す海軍の新型フリゲート艦に、日本の三菱重工業が開発した護衛艦「もがみ型」の改良型を採用すると発表した。予算は11隻で最大100億豪ドル(約9500億円)規模。導入に向けて日豪が共同開発を進める。
日本は戦後、長らく海外への武器輸出を抑制してきたが、14年に策定した「防衛装備移転三原則」で政策を大きく転換した。完成品の装備品輸出は、20年に決まったフィリピンへの防空レーダー以降、2例目。今回は殺傷能力もある艦艇の大型契約で、武器輸出政策が加速する。日本の武器が海外の紛争で使用される可能性は高まる。
三菱重工業は今後、価格交渉などを経て、来年の契約締結を目指す。最初の3隻は日本国内で製造し、29年の納入開始を見込む。残り8隻は西オーストラリア州内で建造する計画だ。
豪州は中国の海洋進出を念頭に、老朽化したフリゲート艦に代わる新型艦導入計画を進め、昨年11月には共同開発国の最終候補を日本とドイツに絞り込んでいた。
もがみ型は運用に必要な人員が従来型の約半数で済むことや、米国の艦艇と連携して運用しやすい設計が強みだった。
豪政府は5日の声明で「能力の要件と戦略的ニーズに迅速に対応できる最適な艦艇」だと評価した。マールズ豪国防相も5日の記者会見で日本案を「豪州にとってベストだ」と述べた。
日豪両国は近年「準同盟国」として安全保障面での連携を強化しており、今回の計画で協力関係がさらに深まりそうだ。豪政府は性能などに基づいて決定したと強調しているが、豪公共放送ABCは日米豪の連携を強化する狙いから、米政府も日本案の採用を働きかけていたとみられると報じた。
林芳正官房長官は5日の記者会見で、豪政府の決定を歓迎した上で「我が国の高い技術力への信頼や自衛隊と豪軍との相互運用性の重要性が評価された証しであり、特別な戦略的パートナーである豪州との安全保障協力を更なる高みに引き上げる大きな一歩となる」と語った。
三菱重工業も5日、「実績、信頼性、技術、能力が高い評価を受けた結果と認識している。最終的な契約の締結に向けて良い提案ができるよう取り組んでいく」とコメントした。【国本愛(バンコク)、竹内望】
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