尹前大統領、北朝鮮に無人機飛ばし攻撃誘発狙う? 検察、事情聴取へ

2025/07/02 11:07 

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 韓国の特別検察は1日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領=内乱首謀罪で公判中=が北朝鮮に無人機(ドローン)を飛ばして北朝鮮側の攻撃を誘発しようとしたとして、外患誘致容疑でも捜査に乗り出した。聯合ニュースなどが伝えた。特別検察は5日に尹氏から事情聴取する方針。

 昨年10月、北朝鮮の首都・平壌にドローンが飛来し、北朝鮮側は「韓国軍の無人機だ」と主張して写真を公表。専門家らは、韓国軍のものと形状などが似ていると指摘した。当時の尹政権が、戒厳令の宣布条件を満たす「戦時などの国家非常事態」を作るため、無人機を意図的に飛ばしたとの疑惑が出ていた。韓国軍は真偽について「確認する価値も、答える価値もない」などと明言を避けていた。

 特別検察は1日午後、軍に無人機を納品した国防科学研究所の担当者から、参考人として事情を聴いた。同研究所は国会に対し今年5月、北朝鮮が公表した無人機について「(韓国軍のものと特徴などが)非常に似ている」とする報告書を提出していた。

 大手紙「東亜日報」など一部メディアは2日、尹氏からの指示で北朝鮮に無人機を飛ばしたと担当司令官から聞いた軍幹部がいると報じた。特別検察は、この軍幹部の発言の音声データを確保したという。

 尹氏の側近だった金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相=内乱罪で公判中=が、無人機の事件に関与した疑いもあると報じられている。

 尹氏は昨年12月に戒厳令を宣布し、今年1月に内乱首謀罪で逮捕・起訴された。3月に釈放され、現在はソウル市内の自宅で生活している。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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