米政権、ハーバード大は「公民権法に違反」 対応なければ資金停止も

2025/07/01 09:42 

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 米トランプ政権は6月30日、ハーバード大学がユダヤ系の学生や教職員に対するハラスメントに対応せず、公民権法に違反したとの調査結果をまとめ、是正しない場合は連邦政府から大学に拠出するすべての資金を断つと通知した。

 厚生省公民権局は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まった2023年10月以降、ハーバード大ではユダヤ系やイスラエル人の学生・教職員に対する「深刻かつ広範」なハラスメントへの「意図的な無関心」があったと認定した。差別を報告し、改善するための一貫した方針を怠ったとも指摘した。

 一方、大学側は6月30日の声明で、反ユダヤ主義は「深刻な問題」であり、学内で偏見や憎悪に対処する措置をとってきたと強調し、政権側に反論した。

 トランプ政権はハーバード大に対し、反ユダヤ主義的な活動の取り締まり以外にも、DEI(多様性、公平性、包摂性)推進の撤廃などを要求してきた。大学側が「不当な介入」だとして拒むと、巨額の補助金凍結や、留学生の受け入れ資格取り消しなどの措置を決め、締め付けを強めている。

 トランプ大統領は6月20日、ハーバード大は一連の協議で「極めて適切に対応している」と従来の評価を一転させ、1週間程度で合意する可能性が高いとの見方も示していたものの、協議がまとまる可能性は見通せない。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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