<1分で解説>米国が日本など同盟国に「防衛費もっと増やして」

2025/06/22 12:50 

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 米国防総省のパーネル報道官が、日本をはじめとするアジアの同盟国に「防衛費を国内総生産(GDP)比で5%まで引き上げるべきだ」と話したのです。今、世界では安全保障についての議論が活発になっています。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「米国が求める防衛費増額」について解説します。

Q 米国が「防衛費をもっと増やして」って言ってるって聞いたよ。どうしてそんなことを言っているの?

A 米国は、同盟国が安全保障で米国に頼りすぎていると考えていて、「自分たちでもっとお金を出して守る努力をしてほしい」と思っているからです。

Q GDP比5%って、どれくらい大きな数字なのかな。

A 日本の今の防衛費はGDPの約1.8%で、2027年度には2%を目指しています。5%はその2倍以上になります。

Q アジアの国も5%にしないといけないの?

A 米国は「アジアの同盟国もヨーロッパと同じように5%を目指してほしい」と言っています。でも、今のところアジアの国で5%に近い国はありません。

Q 日本以外の国はどれくらい防衛費を出しているのかな。

A 韓国はGDPの2.56%、オーストラリアは1.88%、フィリピンは1.32%、タイは1.08%です。どの国も5%には遠い数字です。

Q 米国自身はどれくらい防衛費を使っているの?

A 米国の防衛費はGDPの3.19%です。米国も5%には達していません。

Q 日本は米国の言うとおりに防衛費を増やすの?

A 日本政府は「防衛費は自分たちで決める」と言っています。米国に言われてすぐに増やすわけではなく、これから話し合いが続く見通しです。

Q どうして今、こんなに防衛費の話が出ているのかな。

A アジアだけみても、中国の軍事力が大きくなったり、北朝鮮が核やミサイルを開発したりして、安全保障が心配されているからです。また、米欧で作る北大西洋条約機構(NATO)では防衛費をGDP比5%に引き上げる議論が進んでいるが、アジアの同盟国に広がったとも言えます。

毎日新聞

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