インドネシア大統領、G7よりロシア優先か プーチン氏と会談へ

2025/06/17 18:56 

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 インドネシアのプラボウォ大統領が、招待されていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)を欠席し、19日にロシアでプーチン大統領との首脳会談を行うことを決めた。欧米よりもロシアを優先したととられかねず、今後波紋を呼びそうだ。

 インドネシア政府によると、プラボウォ氏は6月上旬、G7議長国のカナダから16、17日開催のサミットへの招待状を受け取った。カーニー首相からも電話で直接、出席を要請された。インドネシアは東南アジアで人口、経済規模がトップの地域大国であり、国内では「国際的な地位の高まり」と評価する声が上がった。

 ところがインドネシア政府は12日になってプラボウォ氏が「G7サミットを欠席し、ロシアとシンガポールを訪問する」と発表。ロシアからの招待は数カ月前に届いており、出席準備が既に進んでいたと釈明した。

 プラボウォ氏は昨年7月にもロシアでプーチン氏と会談しており、その後両国は初の軍事演習を実施した。インドネシアは今年1月には中露が主導する主要新興国の枠組み「BRICS」にも正式加盟し、以前からロシア寄りの政治姿勢だと指摘されてきた。

 インドネシアは伝統的に特定の国に縛られない「等距離外交」をとる。政府は16日、「国益を追求するため、あらゆる大国と関与していく立場だ」とも説明した。ロシア訪問では経済分野など複数の協定を締結するという。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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