「地震のような衝撃」 混乱のインド機墜落現場、悲しむ遺族の姿も
インド西部アーメダバードの旅客機墜落現場では、発生から一夜明けた13日も懸命の捜索が続いていた。路上には焼け焦げた機体の残骸が散乱し、翼の一部も無造作に横たわったままだった。
現場は空港から車でおよそ15分ほどの住宅街にある。12日午後1時半(日本時間午後5時)過ぎ、近所に住む中学生のアカシュさん(14)は路上でお茶などを販売する母親に昼食を届けた後、ちょうど屋外にあるイスで休憩していたようだ。そこに上から大型の旅客機が落ちて犠牲になった。
爆音と共に上がる煙と炎。祖母のバビさん(70)は煙に巻き込まれるアカシュさんを見失い、それが永遠の別れとなった。バビさんは「なぜ孫がこんな目に遭うのか」と涙を流し、死をまだ受け入れられない。アカシュさんの姉ニラムさん(16)も「弟はクリケットが得意で、明るく、小さな子どもたちの面倒見もよかった」と声を詰まらせた。
約200メートル離れたアパートの住民、ダシュラト・ルバさん(57)は発生当時は昼寝をしており、爆発音と地震のような揺れで目覚めたという。煙が広がる中で他の住民らと救助に当たった。「現場の光景を見て、生存者がいるとは思えなかった」
当時の映像などによると、飛行機は滑走路を離陸直後に失速し、住宅街に突っ込んだ。大きく被害を受けたのは医科大の学生寮周辺だ。飛行機が上からかすめるように落下してきたためだろうか。6階建ての建物は上に行くほど黒く焦げており、現場では焦げたにおいも鼻につく。
宿舎は同じような建物が6棟あり、ロイター通信が伝えた近隣住民の話によると、1年ほど前に完成したばかりだったという。機体の一部は建物にめり込むように衝突した。
現場ではパワーショベルなどの重機がうなりを上げ、がれきの撤去を続ける。地上で巻き添えになった犠牲者の全容はいまだに不明だ。空港は既に営業を再開しており、現場上空では13日もおよそ10分おきに飛行機が飛来していた。現場で警戒に当たっていた警察官は「今も捜索を続けている。地上でどれだけの方が犠牲になったか答えるのは難しいが、かなり多い」と話した。
一方、遺体の多くは焼損が激しく、目視での身元確認が困難なため、当局はDNAによる調査を進めている。近くの病院には、犠牲者の家族が夜通し次々と訪れ、DNAサンプルを提供した。
AFP通信の取材に応じた男性は、いとこを捜すため病院に駆けつけた。離陸直前に本人から「無事に乗った。何も問題ない」との電話があったが、その直後、墜落の一報を聞いたという。
別の女性は義理の息子が搭乗していて事故に遭ったが、その子供(自分の孫)はまだ事実を知らない。「私にはとても伝えられそうにない」と涙ながらに語った。乗務員の親族も病院を訪れており、英BBCに対し「一家の唯一の稼ぎ手で、家族は彼女に完全に頼っていた」と話す遺族もいた。
インドのモディ首相は13日に現地を視察。X(ツイッター)に「壊滅的な状況で悲痛だ。想像を絶する悲劇で愛する人を失った方々に、心よりお見舞いする」と投稿した。【アーメダバード松本紫帆、バンコク国本愛】
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