米司法省、事務的ミスで強制送還した移民男性を帰国させる 起訴で

2025/06/07 16:15 

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 米司法省は6日、エルサルバドルに強制送還した男性を、米国で起訴されたため帰国させたと発表した。男性を巡っては、トランプ政権が3月に手違いで送還し、米裁判所が連れ戻すよう命令していた。しかし、政権は命令に抵抗し、司法判断に従わない姿勢が批判されていた。

 男性はエルサルバドル出身のキルマー・アブレゴガルシア被告。起訴状によると2016~25年ごろ、不法移民の米国内での移動を報酬を得て手助けしたとしている。ボンディ司法長官は記者会見で「有罪になれば米国での刑期終了後、エルサルバドルに送還する」と説明した。

 トランプ政権は3月、戦時法の「敵性外国人法」を利用してベネズエラの犯罪組織のメンバーとする約250人を、エルサルバドルの巨大刑務所に送還した。このうちアブレゴガルシア被告については、11年ごろに米国に不法入国したものの、母国では地元でギャングに迫害される恐れがあるとして、米移民裁判所が退去保留を命じていた。

 米国にいる被告の家族による訴訟で、政権側は送還が事務的ミスだったと認めたが、米政府には国外から連れ戻す権限がないと説明していた。また、被告がギャング組織「MS13」の構成員だと主張し、否定する被告側と対立していた。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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