李在明氏「国民の生活回復に全力を尽くす」 日本は対日政策注視

2025/06/04 10:43 

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 韓国の大統領選は3日投開票され、進歩系の「共に民主党」から出馬した李在明(イ・ジェミョン)前代表(61)が、保守系の「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相(73)らを破り、当選した。李氏は4日朝、大統領に就任した。進歩勢力は、2022年に文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領を退任して以来、約3年ぶりに政権を奪還した。

 李氏は4日未明、国会前に集まった支持者を前に演説。「経済を活性化させ、国民の生活を回復させるために全力を尽くす」と決意を述べた。韓国では進歩と保守の対立が深まっているが「国民が敵と味方に分かれて憎しみ合う必要はない。国民を大きく統合させる責任を決して忘れない」と強調した。

 保守系の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権下で対話が途絶えた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権との関係については「確固とした国防力で抑止力を確実に行使するが、戦う必要のない平和(の状態)を作ることが真の安全保障だ」と指摘。「南北が共存し、互いに協力し、共に繁栄する道を探る」と関係改善に意欲を示した。

 李氏は過去に日本に対して強硬な発言をしたが、最近は日韓の協力を重視すると強調してきた。日韓関係は尹前政権下で改善したが、李氏がどのような対日政策を取るかを日本政府は注視している。

 政権与党となる共に民主党は国会で過半数を大きく上回る議席を持ち、李政権は盤石な体制で始動する。聯合ニュースによると、首相に同党の金民錫(キム・ミンソク)最高委員(61)を、大統領秘書室長には国会議員の姜勲植(カン・フンシク)氏(51)を起用する方針という。

 今回は、違憲の戒厳令を宣布した尹前大統領が憲法裁判所に罷免されたことに伴う選挙。中央選挙管理委員会の最終発表によると、主要候補の得票率は、李在明氏49・42%▽金氏41・15%▽保守系野党「改革新党」の李俊錫(イ・ジュンソク)氏(40)8・34%だった。投票率は79・4%で、近年の選挙では最も高くなった。

 李在明氏は弁護士出身。ソウル郊外の京畿道(キョンギド)城南(ソンナム)市長や京畿道知事などを経て、22年の前回大統領選でも共に民主党から出馬したが、尹氏に僅差で敗れた。その後、約3年にわたり党代表を務めて党内基盤を強化。2度目の挑戦で雪辱を果たした。【ソウル日下部元美、福岡静哉】

主要3候補の得票結果

李在明氏 17,287,513(49.42%)

金文洙氏 14,395,639(41.15%)

李俊錫氏  2,917,523( 8.34%)

※韓国中央選管発表

5人が立候補、カッコ内は得票率

毎日新聞

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