ポーランド大統領選で反EU派が勝利 首相との「ねじれ」継続か
ポーランドで1日、任期満了に伴う大統領選の決選投票があり、右派ポピュリスト政党「法と正義(PiS)」が支援した反欧州連合(EU)の歴史家、ナブロツキ氏(42)が当選した。ナブロツキ氏は隣国ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟に否定的で、今後の欧州の安全保障にも影響を与える可能性がある。
ポーランドでは親EU・リベラル派のトゥスク首相と、EUに懐疑的で強権的な政治手法を取るドゥダ大統領の間で「ねじれ」が生じていた。ドゥダ氏の後継指名を受けたナブロツキ氏は50・8%を得票。トゥスク首相率いる中道「市民プラットフォーム」のワルシャワ市長、チャスコフスキ氏(53)を僅差で破った。
ポーランドでは2015年の大統領選でPiSのドゥダ氏が当選し、総選挙でもPiSが勝利。PiSは司法への政府介入、LGBTなど性的少数者の排除、メディア統制といった強権的な政策を進め、EUとも対立を深めた。
23年に首相に就任したトゥスク氏は、司法の独立を取り戻す改革などに着手しようとした。だが大統領に法案の拒否権があるため、公約の多くはドゥダ氏の反対により滞っていた。
ナブロツキ氏は5月に米ホワイトハウスを訪問するなど、トランプ米大統領との関係をアピールし、米国との連携強化を主張した。チャスコフスキ氏は、EUとの関係修復やPiS政権下でほぼ全面的に禁止された人工妊娠中絶の合法化を訴えていた。
ポーランドではロシアによるウクライナ侵攻後、安全保障への関心が特に高まっている。ナブロツキ氏は自国の防衛強化とウクライナ支援の必要性は認める。しかし第二次世界大戦中にウクライナの国家主義グループが約10万人のポーランド人を殺害した「ボルヒニアの虐殺」を巡り、ウクライナ側が「責任を取っていない」と主張し、NATOとEUへの加盟には否定的な立場を取っている。
大統領選には13人が立候補した。5月18日にあった第1回投票ではチャスコフスキ氏が得票率31・4%で首位に立ち、同29・5%のナブロツキ氏が続いた。交流サイト(SNS)を駆使して14・8%を獲得した極右政党のメンツェン氏が3位だった。ナブロツキ氏は第1回投票後、メンツェン氏の支持を取り付け、その支持層の取り込みをはかっていた。【ベルリン五十嵐朋子】
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