「南部の武器はレバノン軍に引き渡した」 ヒズボラ幹部に単独取材
イスラエルとの停戦から半年になるのを前に、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの政治局幹部、ガーレブ・アブ・ザイナブ氏(52)が毎日新聞のインタビューに応じ、ヒズボラの軍事部門はレバノン南部から「完全に撤退した」と明らかにした。ただ、「イスラエルは我々の土地を占領している。そのため、あらゆる可能性に備えている」とも語り、完全な非武装化には応じない姿勢を示唆した。
ヒズボラは2023年10月、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まったことを受け、イスラエル軍との交戦を開始。イスラエル軍は昨年9月末、レバノン南部に地上侵攻した。
昨年11月27日に発効した停戦合意には、双方がレバノン南部から撤退し、中立的な立場のレバノン軍が現地に展開するとの内容が盛り込まれた。だが、イスラエル軍は期限後も一部部隊の駐留を続けており、ヒズボラが軍事拠点を再構築しているなどとして、断続的に空爆を繰り返している。
ザイナブ氏は、ヒズボラが停戦合意を受けて南部に蓄えていた武器を「すべてレバノン軍に引き渡した」と説明。そのうえで、イスラエル軍による空爆などの停戦違反は「3000回以上に及んでいる」と訴えた。また、停戦後もイスラエル軍が国境沿いの複数の村で「すべての家屋を破壊した」と述べ、「戦争犯罪だ」と非難した。
一方、昨年9月にヒズボラの戦闘員が所有していたポケットベルなどの通信機器がイスラエルにより一斉に爆破されたことについては、「ポケベルの一部は民間人にも配布され、病院などで使われていた」と説明。バッテリーの持ちが悪いことに気づき、ヒズボラの関係部署が検査のために回収しようとしていたところ、一斉に爆破されたと語った。
ポケベルが爆破された翌日には、日本の会社のロゴが入ったヒズボラのトランシーバーも爆発したが、これについては「偽造されたものだと考えている」と述べた。
ヒズボラは隣国シリアを経由してイランから武器などの支援を受けていたが、シリアでは昨年12月、親イランのアサド政権が崩壊し、反体制派が暫定政権を樹立した。
ザイナブ氏は「前政権下ではイランからの物流はオープンだった。いまはかつてほど簡単ではない」と述べ、アサド政権崩壊の影響が大きいことを認めた。だが、「ヒズボラは日に日に回復している」とも語り、弱体化したとの見方は否定した。【ベイルートで金子淳】
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