「ハマスはガザを去るべきだ」 私が「反ハマス」デモに参加した理由
パレスチナ自治区ガザ地区で3月下旬、イスラム組織ハマスに対する抗議デモが数日間にわたり行われた。ガザを実効支配するハマスによる強権的な統治が続く中、数百人規模のデモが起きるのは異例のことだ。デモに参加した弁護士のモーメン・ナトールさん(29)は「住民の多くはハマスを支持していない。ハマスが去れば、この戦争は終わる」と退陣を求めた。
ナトールさんは4月1日、イスラエルのNPOを通じてオンラインで記者会見した。
ナトールさんは、2023年10月に始まったイスラエルとハマスの戦闘によりガザ地区南部へ避難していたが、今年1月の一時停戦を機に北部のガザ市へ戻ったという。19年には、ガザ当局による増税などに対する抗議デモを組織し、投獄された経験を持つ。
今回のデモは、3月18日にイスラエル軍が大規模な攻撃を再開してから1週間後に始まった。ナトールさんによると、特定の団体が主導したものではなく、住民が自然発生的に集まったという。「18年にわたるハマスの統治と1年以上に及ぶ戦闘で、住民は大きな代償を払わされている。食料は高騰し、多くの人が家族や自宅を失った。生きる希望がないから、人々が抗議に立ち上がった」と語った。
デモは数日にわたって続いたが、その後、参加者の男性(22)がハマスの戦闘員に殺害されるなどして、現在は沈静化した。「ハマスは以前のような軍事力は失ったが、住民を抑えつけるだけの武器や力はまだ持っている。今も多くの人々がハマスを恐れている」
7日で開始から1年半となる戦闘のきっかけは、約1200人のイスラエル人らが犠牲となったハマスの越境攻撃だった。「女性や子どもを標的にした攻撃には全く賛同できない」と述べた上で「ハマスは今すぐ人質を解放し、戦争を終わらせるべきだ」と強く求めた。
一方、戦闘開始以来のガザ側の死者は5万人を超え、人道危機は深刻化している。ナトールさんは「イスラエルの人々がハマスの攻撃に衝撃を受けたように、ガザの人々もイスラエル軍の空爆や封鎖に苦しんでいる」と語り、「すべてのガザ住民がハマスを支持しているわけではない。ハマスと無関係な一般市民を攻撃しないよう、国際社会はイスラエルに働きかけるべきだ」と訴えた。
◇6割がハマスの統治望まず
ヨルダン川西岸のシンクタンク「パレスチナ政策調査研究センター」が昨年9月に行った調査によると、ハマスの越境攻撃を「正しかった」と回答したガザの住民は39%にとどまった。23年10月以降4度目の調査で初めて半数を下回り、「正しくなかった」と答えた人は57%に上った。
長引く戦闘の中で、住民のハマスへの視線は厳しさを増しているとみられる。戦闘終結後のガザについて、ハマスによる統治を望むと答えた人は36%だった。【エルサレム松岡大地】
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