ケネディ長官、厚生省職員4分の1削減 民主「サービス混乱」と批判

2025/03/28 07:39 

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 ロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官は27日、厚生省の大幅な組織再編と合わせ、常勤職員を8万2000人から6万2000人に削減すると発表した。トランプ政権が進める連邦政府機関の縮小に従うもの。米メディアによると、同省では自主退職者が既に約1万人おり、それらと合わせて全体の4分の1にあたる2万人を削減するという。

 ケネディ氏は、ネット交流サービス(SNS)に投稿した動画で、バイデン前政権下の過去4年間に、同省の予算は38%、職員の数は17%それぞれ増えたが、米国民の健康増進につながっていないと指摘。米国の国民1人あたりの医療費は他国の2~3倍に上るのに、健康面では先進40カ国の中で最下位だと批判した。

 そのうえで、同省を合理化し、効率的な機関にするとし、①8万2000人の常勤職員を6万2000人に減らす②28ある部門を15に再編する――などの方針を示した。複数の組織を統合して「健康な米国のための管理機構」(AHA)を創設することも表明し、「米国を再び健康にする」と訴えた。同省によると、今回の削減で年間18億ドル(約2700億円)の支出が削減できるという。

 同省は、連邦政府の中でも最も大きな機関の一つで、予算は2兆ドル(約300兆円)弱の規模に上る。傘下には疾病対策センター(CDC)や国立衛生研究所(NIH)、食品医薬品局(FDA)などがある。

 今回の削減で、CDCは2400人、NIHは1200人、FDAは3500人の職員がそれぞれ減る。同省は、職員削減は医薬品や医療機器、食品の審査官・検査官には影響しないと主張している。

 これに対し、野党・民主党のマーキー上院議員は声明で「この労働者切り捨ては、単なるリストラではなく、サービスを混乱させ、連邦法に違反し、公衆衛生を守るために日々身をささげている労働者の生活を否定する破滅的なものだ」などと批判した。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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