モルドバ当局、親露派の自治区首長を拘束 ロシアは「弾圧」と批判

2025/03/27 09:47 

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 モルドバの治安当局は25日夜、南部ガガウズ自治区トップで親ロシア派のグツル首長を首都キシナウの空港で拘束したと発表した。ロシアは弾圧だと主張し、批判している。タス通信などが報じた。モルドバはウクライナの隣国で、旧ソ連構成国。

 グツル氏は2023年、ロシア逃亡中の有力な親露派政治家の後押しで首長に当選した。ガガウズはロシアと同じ東方正教を信仰するトルコ系住民が多く、歴史的に親露傾向が強い。

 就任後のグツル氏は、親欧米路線のサンドゥ大統領との対決姿勢を強めた。一方で、選挙資金の管理手続き違反の疑いで裁判が始まっていた。出国を禁止されていたが、トルコへ向かおうとしていたという。

 ペスコフ露大統領報道官は26日、今回の拘束について「サンドゥ氏のライバルになり得る現職政治家に露骨な圧力を加えている」として批判した。

 モルドバで昨年10、11月にあった大統領選と欧州連合(EU)加盟の賛否を問う国民投票を巡っては、ロシアがインターネット上で偽情報を流したり買収行為を行ったりしたと政権は批判。25年10月までに議会選も実施される予定で、モルドバの政権と親露派とのあつれきは先鋭化しそうだ。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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