レトロリロン、ツアーファイナルで新曲初披露 秋のZeppツアー開催も発表
ツアーファイナルを開催したレトロリロン・涼音 写真:スエヨシリョウタ

【写真】注目バンド!レトロリロンのライブ写真がたっぷり
■オフィシャルレポート
レトロリロンにとって過去最大規模となる『RETRORIRON 1st Full Album「コレクションアローン」RELEASE ONE-MAN TOUR 2026』が、18日に東京・Zepp Hanedaでファイナルを迎えた。全国10ヶ所の公演はソールドアウト続出、この日のスタンディングフロアもこれ以上は入れない本気の超満員。メジャーデビュー発表から1年、突出した個性と実力についに人気が追いついてきたのは明白だ。
「レトロリロンです、どうぞよろしく!」
涼音(Vo&AG)の第一声とともに、アルバムと同じ1曲目「リコンティニュー」からライブは白熱する。バンドは絶好調、ここまで9ヶ所のライブで練り上げたアンサンブルで、「ワンタイムエピローグ」「ラストハンチ」とアップテンポの楽曲を畳みかけて波に乗る。対するオーディエンスもクラップ、手振り、シンガロングと、しっかり受け止めて音に乗る。目を見張るのは涼音のパフォーマーとしての成長で、よりソウルフルな豊かさを増した歌唱力に加え、ステージ狭しと歩き回り両手を広げて歓声に応える、一挙手一投足に自信がみなぎる。ツアーの効果は抜群だ。
「ツアーファイナルだけが特別じゃなくて、各地で特別を作ってきたので、今日も東京の特別を作りたいと思います。いい時間にしましょう」
永山タイキ(Dr)の電子ドラム、miri(Key)のミニマルなピアノをフィーチャーした「それでも生きていたい」から始まる次のセクションでは、メンバーの音楽的進化が明らかになる。チル/アンビエントとディスコ/グルーヴを組み合わせた「Document」、飯沼の強烈なスラップベースと永山のラテンビートが炸裂する「FAQ」、そして永山の強烈なソロをスポットライトが浮かび上がらせる「DND」。『コレクションアローン』のレコーディングはプレイヤーとして修行もしくは特訓だったと、メンバーはインタビューの場で明かしてくれたが、その甲斐はあった。躍動感あふれる演奏に目も耳も釘付けだ。
ライブ中盤で涼音が引っ込み、miri、飯沼一暁(Ba)、永山のわちゃわちゃトークで一休み。今日のテーマ「あいうえお作文」で観客とともにゆるく楽しく笑顔で息抜き、これもまたレトロリロンのライブの旨味。「カテゴライズ」から演奏に戻ると、キュートでノスタルジックなソウル/ポップス風味の「ふたり」、ラブソングという新たな挑戦を得て涼音の歌心が開花した「僕だけの矛盾」と、アルバムから2曲続けて。続く「アンバランスブレンド」はオーディエンスのコーラスを加えて温かい余韻を残す、スムースなセットリストの流れが心地いい。
「僕は自分のために曲を書いてきたし、これからもそうしていきます。でも僕が僕のために書いた曲を、本当に大事にしてくれる人がいることを、最近実感しています。あなたと一緒に進んで行きたいと、このツアーを回りながら考えるようになりました」
ライブ終盤、最後のセクションを迎える前の涼音のMC。「自分でも意外だけどね」という照れ笑いの中に、初めて見せる涼音の本音がある。「出会ってくれてありがとう。これからも一緒に歩いていけたらいいね」という言葉の中に、バンドの未来がある。レトロリロンはメジャーデビュー、過酷なアルバム制作、怒涛のライブ活動を経て、確かな自信と新たな覚悟、そして素晴らしいファンを手に入れた。
顔が見えないほど暗いピンスポットの中、miriのピアノと涼音の歌だけで歌われる「咒」は、間違いなくこの日のハイライトになる1曲。救いのない懺悔のような独白は「自分のために作ってきた曲」の究極であり、だからこそ一対一で聴き手の心に繋がる曲。レトロリロンの歌詞をただメロディに乗せた言葉ではなく、人生で同じ悩みや葛藤を知る友の言葉のように聴く人がこれだけいる。会場全体が静まり返る中、慟哭のような歌声は圧巻のひとこと。
そこから一気にまばゆい光と音がはじけて「バースデイ」から「UNITY」へ、会場いっぱいの手拍子を集めてラストスパートへ。バンドは余力を残さず全力で走る。七色に輝く照明がステージを包み込む。「UNITY」は単一と全体という二つの意味を持つ言葉だと、メジャーデビュー時に涼音は教えてくれた。それぞれの思いを抱えて誰もが音楽を楽しむ、今目の前で見ているライブの光景にぴったりの言葉だ。
鳴りやまない拍手に呼び戻され、アンコール1曲目に披露したのは10日前に配信開始されたばかりの新曲「エゴ」。4月スタートのテレビアニメ『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。Season2』オープニング主題歌に決定している、ライブ初披露の新曲は、レトロリロンには珍しいシンプルな8ビートの痛快ロックチューン。歌い終えた涼音が「あー緊張した」と笑顔でひとこと。ライブ映えする1曲、今後の進化が楽しみだ。
ここでうれしいお知らせ、「秋のZeppツアー開催」の一報に湧き上がる大歓声と拍手。10月から12月にかけて、札幌から福岡まで全国7ヶ所を網羅する『RETRORIRON Zepp Tour 2026』は、さらなる高みを目指すバンドの次のステップにふさわしい挑戦だ。そこでの再会を約束してさらに2曲、「ヘッドライナー」「TOMODACHI」を演奏して、客席に放り込まれた大玉風船から飛び出した無数の風船に埋もれながら、およそ2時間、全17曲のライブは華やかに幕を下ろした。
高い演奏力が必要な『コレクションアローン』の曲を見事に表現してみせた、最新のライブが最高のライブ。「もっと大きくなるから、一緒に行こうぜ」と涼音は言った。5月から7月には地方の小都市を巡るロードツアー、夏には大量のフェス出演も予定されている。2026年、レトロリロンはさらにさらに高く飛ぶ。
(文・宮本英夫)
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