ビール大手4社がカルテルか 公取委が強制調査、刑事告発も視野

2026/10/07 10:37 

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 市販用ビール類の販売価格を巡りカルテルを結んだ独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いがあるとして、公正取引委員会は7日、国内のビール大手4社に独禁法の犯則調査権に基づく強制調査に入った。価格カルテルの疑いでビール大手各社に強制調査をするのは初めて。関係者への取材で判明した。

 ◇消費者の負担増につながった恐れ

 犯則調査権は裁判所の令状を得て強制的に捜索や差し押さえができる権限で、行政処分が前提の通常の調査とは異なる。公取委は市場規模が大きく市民生活への影響が重大だと判断し、検察当局への刑事告発を視野に解明を進める模様だ。犯則調査権の適用は、2025年9月に強制調査に入った法人契約者向けの軽油販売を巡る価格カルテル以来となる。

 強制調査の対象は、サントリー(東京都港区)▽アサヒビール(同墨田区)▽キリンビール(同中野区)▽サッポロビール(同渋谷区)――の4社。いずれもビールなど酒類の製造販売事業を展開する業界を代表する飲料メーカー。

 関係者によると、4社の営業担当の責任者らは数年前から定期的に会合を開くなどして、ビールや発泡酒、第3のビールを卸売業者に販売する際の価格の情報を交換。ビールでは、小売価格が数円~数十円の値上げ幅になるよう調整を繰り返した疑いがある。

 卸売業者への販売価格は全国のスーパーやコンビニエンスストアなどで販売される市販用ビール類の小売価格や、飲食店で消費者に提供されるビール類の価格に影響を与える。

 4社は近年、原材料価格や物流費の上昇などを受け、複数回にわたってビールなどの販売価格の値上げを行ってきた。公取委は、4社がその裏で自社の利益確保のために価格を調整したとみている。適切な競争が働かず、消費者の負担増につながった恐れがある。

 4社と地方に本拠を置く1社の計5社が加盟する「ビール酒造組合」は18年分までビール類の出荷量を公表しており、18年は5社のうち4社のシェアが約99%を占めていた。19年以降は、小規模業者が製造するクラフトビールやプライベートブランド(PB)商品の増加で「全体の動向を正確に把握できなくなった」として明らかにしていない。

 国税庁などによると、24年の酒類製造者などの国内売上金額は3兆8438億円で、そのうちビールは約3割の1兆1530億円、発泡酒は約1割の4578億円。24年度の酒類の消費(販売)数量はピーク時の1996年度から約2割減少しているが、4社は海外展開や事業の多角化などに取り組み収益を伸ばしている。【山田豊】

毎日新聞

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