日銀、政策金利を0.75%に引き上げ 7会合ぶり利上げ
日銀は19日、政策金利を現行の0・5%程度から0・75%程度に引き上げると決めた。利上げは今年1月以来7会合ぶり。トランプ米政権の大規模関税の日本経済への打撃が当初の想定より小さく、企業が来年の春闘で十分な賃上げをすると判断した。円安進行で、物価上昇(インフレ)の加速懸念が高まっていることも判断を後押しした。
18、19日に金融政策決定会合を開いて決めた。19日午後に植田和男総裁が記者会見して、理由などを説明する。
政策金利が0・75%に達するのは、1995年8月(当時は公定歩合)以来で、約30年ぶりの高水準となる。利上げで住宅ローンの変動金利や企業向けローンの金利が上昇する一方、家計や企業の預貯金の利息が増えるメリットもある。
日銀は2024年3月にマイナス金利を解除して以降、3回の利上げを実施。その後、今年4月にトランプ政権が発動した関税の影響を見極めるため、6会合連続で金利を据え置いた。 日銀は「関税は自動車産業などに悪影響を与えているものの、企業収益への下押し圧力は当初の見通しに比べ限定的」と判断。利上げ決定のカギを握る賃上げについても、全国の支店を通じた聞き取り調査などで「来年の春闘で前年度並みの高水準が維持される」との自信を深めた。
財政拡張と金融緩和を志向する高市早苗政権の発足を機に、外国為替市場で円が売られ、一時1ドル=157円台まで円安が進んだことも影響した。円安進行が輸入物価の上昇を招き、食品価格高騰などのインフレ圧力になるためだ。
高市氏は景気を冷やす可能性がある利上げに慎重と見られていたが、日銀が利上げを見送れば円安が一段と進む恐れがある。日銀は「利上げしてもまだ緩和的な金融環境で、景気の下支えが続く」と説明。インフレは政府が最優先で取り組む課題であり、高市政権も円安食い止め効果がある利上げを容認した。
市場の注目は、今後の日銀の利上げ回数やペースに移る。日銀は景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」は1・0~2・5%の範囲にあるとの推計を公表済み。この中立金利に到達するまで、0・25%刻みの利上げを続ける見通しだ。
植田氏は中立金利について「次回利上げをすることがあれば、考えをもう少しはっきりと明示させていただきたい」と述べている。【古屋敷尚子、大久保渉】
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