金利据え置きの欧州中銀 ラガルド総裁「経済は底堅い」と評価

2025/12/19 10:58 

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 欧州中央銀行(ECB)は18日、ドイツのフランクフルトで定例理事会を開き、主要政策金利を4会合連続で据え置くことを決めた。ラガルド総裁は会合後の記者会見で、トランプ米政権の高関税政策の中でも、「経済は底堅い」と評価した。物価上昇(インフレ)率についても、「中期的に目標の2%で安定するとの見通しを改めて確認した」と述べ、金融政策のかじ取りに手応えを示した。

 欧州連合(EU)統計局によると、11月のユーロ圏の消費者物価指数上昇率は前年同月比2・1%と安定している。新たにECBが示した予測でも2025~28年のインフレ率は2%前後で推移する見通し。25年の実質域内総生産(GDP)の成長率も前年比1・4%と、9月時点の1・2%から上方修正した。

 ラガルド氏は「不確実性は変わっていないか、むしろ悪化しているかもしれない」と強調し、「あらゆる選択肢が残っている」と述べて今後の金融政策の方向について言質を与えなかった。ただ、市場では、現行の金利水準が当面保たれるとの観測が広がっている。

 ECBは18日、市場が注目する指標で、民間銀行が中銀に資金を預ける際の中銀預金金利を2%、銀行が中銀から資金を借り入れる際の主要金利は2・15%にそれぞれ据え置いた。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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