EVに重量税上乗せへ、28年5月 政府・与党 エコカー減税は延長
政府・与党は16日、電気自動車(EV)への課税について、車検時にかかる自動車重量税の特例加算として、2028年5月から新たに負担を求める方針を固めた。電池を搭載するEVはガソリン車よりも重く道路への負荷がかかるため、重いほど税額を増やす。
一方、来春に期限を迎える自動車重量税を環境性能に応じて軽減する「エコカー減税」は、適用条件を厳しくしたうえで2年延長する見通し。自動車購入時に燃費に応じて課される自動車税の「環境性能割」は、高市早苗首相の意向を反映して2年間停止する。いずれも今週中にも策定する26年度の与党税制改正大綱に盛り込む。
EVへの特例加算は、ガソリン税などのような利用に応じた負担がないことなどで、税負担の公平性から求める声があった。対象は自家用のEVとプラグインハイブリッド車(PHV)で、税率はガソリン車の利用者が平均的に負担するガソリン税の金額を踏まえて設定する。PHVはガソリン税を一定程度負担しているため、税率をEVの半分にする。
財務省は当初、年に最大2万4000円をEVに加算する案を示したが、自動車業界などが反発。詳細な制度設計は26年以降に持ち越した。バスやトラックなど営業用EVの取り扱いも26年末以降に決める。
現行のエコカー減税は26年4月末に終了し、同5月以降はガソリン車の燃費基準を引き上げる。適用条件を厳しくすることで、より環境性能の高いEVなどの普及を促す。
環境性能割は、自動車産業を活性化する狙いから26、27年度に限り課税を停止する。地方税のため、年1900億円ほどの減収分は国が全額補塡(ほてん)する。高市首相は10月の自民党総裁選で「2年限定で廃止する」と主張していた。28年度以降については排気量に応じて課税する「種別割」との統合を視野に、27年度税制改正で結論を得るとした。【妹尾直道、井口彩、中島昭浩】
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