政府、メガソーラー支援廃止へ 家庭用・屋根へのパネルは普及後押し
メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設を巡り一部で反対運動が起こっている問題を受け、政府は2027年度から新規導入への支援を廃止する方針を固めた。一方で、太陽光発電は再生可能エネルギーの「主力」でもあるため、家庭用や屋根などに設置するパネルへの支援は継続する。新たに環境影響評価(アセスメント)法も改正し、環境破壊につながる開発を防ぐ。
太陽光発電は現在、再エネの固定価格買い取り制度(FIT)か、一定額を上乗せした市場連動価格で電力会社が電気を一定期間買い取る仕組み(FIP)を使って普及を後押ししている。政府が認定した事業計画が支援を受けられ、メガソーラーはFIPの対象となっていた。
自民党は15日に開いた経済産業部会や環境部会などの合同会議で、メガソーラーなどを支援の対象から外す内容を含む提言をまとめた。発電出力が1000キロワット以上のメガソーラー、10キロワット以上の地上設置型の事業用パネルを対象から外すことを想定している。党内手続きを経て政府に提出し、政府は年内にも27年度から廃止する方針を決める見通しだ。
政府は規制強化と日本生まれのペロブスカイト太陽電池や営農型太陽光発電などの普及を両立させるべく検討を進めている。小林鷹之政調会長は合同会議の冒頭、「太陽光発電の技術の進展状況を踏まえれば、メガソーラーの支援は役割を終えているのではないか。政府には今後新たな認定は行わず、支援廃止を含めて検討することを求めたい」と語った。
環境への影響を評価する環境アセスメントについては、義務化される基準を出力4万キロワット以上から2万キロワット以上に下げる。3万キロワット以上は計画により経済産業相が要否を判断していたが、こちらも1・5万キロワット以上に半減する。環境影響評価法と電気事業法の政令などの改正を目指す。
FITやFIPによる買い取り見込み額は、25年度は約4・9兆円。このうち、太陽光は約3兆円。電気料金に上乗せして回収している「再エネ賦課金」の見込み額は約3・1兆円に上っている。【中島昭浩、鈴木悟】
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