トランプ氏、FRB次期議長候補「2人のケビン」 ウォーシュ氏も浮上
トランプ米大統領は12日、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長の最有力候補として、ウォーシュ元理事と国家経済会議(NEC)のハセット委員長を挙げた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューに答えた。これまで米メディアではハセット氏が取り沙汰されていたが、議長レースの筆頭にウォーシュ氏も浮上した形だ。
WSJによると、トランプ氏は10日にウォーシュ氏と面会。FRB議長に選出された場合に利下げを支持するかどうかを強く問いただした。その結果を踏まえ「利下げが必要だと考えている」人物だと評した。トランプ氏は自身が考える1年後の政策金利の水準について「1%か、それより低い水準」と話している。
ウォーシュ氏は米金融大手モルガン・スタンレーで勤務後、ブッシュ(子)政権にNEC事務局長などの立場で参加。2006~11年には史上最年少でFRB理事を務めた。第1次トランプ政権がパウエル氏を指名した際にも、有力候補の一人として名前が挙がっていた。
FRB次期議長を巡っては、トランプ氏が複数の候補者の最終面接を実施している。トランプ氏はウォーシュ氏とハセット氏の名前が共にケビンであることを踏まえ、「2人のケビンが素晴らしい」と述べた。ほかにも候補者がいると語っており、まだ最終決定は下していない模様だ。
FRBは10日に3会合連続となる利下げを決め、政策金利の誘導目標を3・5~3・75%に設定したばかり。トランプ氏が言及する金利水準に至るには0・25%の利下げを10回以上実施することになる。
トランプ氏は景気刺激効果のある金融緩和をかねて志向しており、金利据え置きを続けたパウエル議長を公然と批判してきた。次期議長の候補者が利下げ重視の立場かを慎重に見極めている。【ワシントン浅川大樹】
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