被災のJR美祢線、鉄道復旧を断念 BRT転換で正式合意 23年豪雨で

2025/08/08 07:30 

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 2023年夏の豪雨で被災し、全線運休が続く山口県のJR美祢(みね)線について、村岡嗣政知事と沿線3市長が7日、県庁で協議し、鉄道復旧を断念し、バス高速輸送システム(BRT)に転換することで正式に合意した。国やJR西日本も加わる法定協議会を今秋にも設置し、費用負担などについて協議する。

 沿線3市と県やJR西日本などでつくる利用促進協議会は7月16日、BRTの導入を軸に検討を進める方針を決めていた。7日は冒頭以外は非公開で協議し、終了後に取材に応じた村岡知事は「鉄道での復旧には10年以上かかり、復旧期間や利便性を考えた時にBRTによる復旧がベストとの結論に至った」と述べた。

 利用促進協議会長の篠田洋司・美祢市長は「JRは、運行本数を鉄道時代より1・5倍に増やし、速達性や定時性を確保するとしている。鉄路として復旧しないことは苦渋の決断だが、BRTを基軸に復旧を図りたい」と語った。

 美祢線は県を縦断する厚狭(あさ)(山陽小野田市)―長門市(長門市)の約46キロ。23年6月30日~7月1日の豪雨で、湯ノ峠(ゆのとう)(山陽小野田市)―長門湯本(長門市)の約37キロの区間で橋が流されたり、盛り土が流失したりするなど計80カ所で被災し、全線運休していた。【杉山恵一、小澤優奈】

毎日新聞

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