「ハワード」「リオ」 赤沢氏、愛称で親密アピール 日米関税交渉
トランプ米政権による関税引き上げを巡る日米交渉が大詰めだ。4月中旬に始まった米国での閣僚協議は4週連続で計6回に上る。協議を担当する赤沢亮正経済再生担当相は、短期間で幾度と顔を合わせてきた交渉相手の米側閣僚との親密さをアピールするが、日本側の要求をどこまで通すことができるか。正念場を迎えている。
米側の担当閣僚はベッセント財務長官、ラトニック商務長官、米通商代表部のグリア代表の3人だ。初回の協議ではこの3人のほか、突如トランプ大統領が参加を表明する事態となったが、2回目以降は3閣僚、もしくは個別に会談を重ねてきた。
異例とも言える閣僚の連続訪米だが、赤沢氏は13日にあった6回目の協議後の記者会見で「対面で協議を申し入れても米側が受けてくれないという国が世界中に多数ある。そんな中で、我が国は協議を申し入れれば必ず会ってくれる。米側にも真摯(しんし)に対応いただいている」と述べ、米国も日本を重視しているとの考えを示した。
特にラトニック氏とは全6回の協議で顔を合わせている。
ベッセント氏が欠席した5月23日にあった3回目の協議では、自宅に招かれて会談。6月初旬の5回目の協議では2日間にわたってラトニック氏と協議しており、赤沢氏は自身のX(ツイッター)の投稿で、ラトニック氏をファーストネームの「ハワード」と呼び、ラトニック氏からは「リオ」の愛称で呼ばれる仲だと明かした。「日本語だと『ラトちゃん』と『赤ちゃん』って感じかな」とも投稿した。
6回目の訪米でも、13日の対面交渉に続き、14日午後に電話協議した。「友達だから」(赤沢氏周辺)と距離の近さを強調するが、ラトニック氏は日本が最重要視する自動車など分野別関税の担当閣僚。「ラトニック氏と協議すべき話題があるから協議している」(交渉筋)というのが実情だ。
4月8日に石破茂首相から米側との担当閣僚に指名され、直後に「担当閣僚同士の信頼関係を作る」ことが重要と強調していた赤沢氏。政府内には「閣僚の信頼関係や連続訪米は交渉のプラスにはなるが、それで合意できるほど簡単ではない」(関係者)とする声もあるが、閣僚協議の成果をもとに、日本政府は16~17日にカナダで開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせた日米首脳会談での合意を目指す。【ワシントン高田奈実】
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