欧州中銀、7回連続の利下げ決定 0.25% 景気下支え優先

2025/06/05 21:26 

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 欧州中央銀行(ECB)は5日、定例理事会をドイツのフランクフルトで開き、主要政策金利を0・25%引き下げることを決めた。利下げは7会合連続となった。トランプ米政権の高関税政策が欧州経済に与える影響が見通せない中、引き続き景気の下支えを優先することにした。

 ECBは、市場が注目する指標である民間銀行が資金を預ける際の中銀預金金利を2・25%から2%へ、民間銀行が資金を借り入れる際の主要金利を2・4%から2・15%へとそれぞれ引き下げた。

 欧州連合(EU)統計局によると、ユーロ圏の5月の消費者物価指数上昇率は前年同月比1・9%と、4月の2・2%から下がり、ECBが中期目標に据える2%もわずかに下回った。一方で、2025年1~3月の実質域内総生産(GDP)の成長率は前期比0・3%にとどまっている。

 トランプ政権とEUの関税などを巡る通商交渉で大きな進展が見られない中、収束しつつある物価上昇(インフレ)対策よりも、経済活動の停滞を防ぐことに軸足を移した。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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