日鉄、USスチール買収計画で交渉大詰め 急浮上の「黄金株」とは
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を巡り、経営上の重要事項に強い拒否権を握る「黄金株」を日鉄が米政府に付与する案が浮上した。トランプ米大統領がUSスチールへの「米側のコントロール」を強調する中、「買収」にこだわる日鉄の交渉は最終局面を迎えている。
USスチールの本社がある米東部ペンシルベニア州選出のデーブ・マコーミック上院議員は27日、米CNBCのインタビューに対し、「(米政府に対して)黄金株が発行されるだろう」と語った。22日にトランプ氏と話したというマコーミック氏によると、黄金株のほかにUSスチールのトップが米国人であること、取締役会の過半数を米国人が占めることも買収の合意条件に含まれるという。
日鉄はUSスチールに対する140億ドル(約2兆円)の追加投資を提示してきたが、同社の完全子会社化を前提としている。このほか▽USスチールの社名や本社所在地を維持▽一定の条件下で解雇や工場閉鎖を行わない――といった条件もこれまで提示してきたが、米政府と詰めの交渉を行う中で急浮上したのが黄金株の付与だ。
黄金株は、少数の持ち分でも事前に取り決めた決議事項に対して拒否権を行使できる株式。国内では、資源開発大手INPEXの黄金株を日本政府が保有しており、外資系企業による経営支配を防ぐ目的があるとされる。
実際に米政府に黄金株が付与されれば、日鉄の経営の自由度が狭まることは避けられない。国際的な企業の合併・買収(M&A)に詳しい東京国際法律事務所の森幹晴弁護士は「拒否権を行使できる範囲をどこまで広げるかは当事者間での交渉次第だが、黄金株を1株でも保有すれば、企業のガバナンスに大きな影響力を持つ」と指摘する。
ただ、日鉄の買収計画を巡って、トランプ氏は23日、自身の交流サイト(SNS)で両社の「パートナーシップ(提携)」を支持する意向を表明し、25日には「(日鉄が)部分的に所有権を持つ」とし、完全子会社化に否定的な姿勢を崩していない。日鉄が黄金株の付与で譲歩する代わりに、悲願の「買収」を実現することになるのか。トランプ氏は30日にピッツバーグで開かれるUSスチールの集会に参加する見通しだが、その発言が改めて注目される。【成澤隼人】
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