放出の備蓄米、小売業者に届いたのは1.4% 農水省調査

2025/04/30 21:07 

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 農林水産省は30日、政府備蓄米の流通状況に関する2回目の調査結果を発表した。これまで2回の入札で放出された約21万トンに対し、4月13日までにスーパーなどの小売業者に届いたのは3018トン(1・4%)にとどまった。

 3月17日~4月13日に落札した集荷業者に引き渡されたのは13万7879トンだった。このうち卸売業者に2万73トンが販売された。卸売業者などから小売業者に3018トン、中食・外食業者に1174トンがそれぞれ届けられていた。1回目の入札から1カ月以上が過ぎたが約21万トンの9割以上が国や全国農業協同組合連合会(JA全農)などの集荷業者に滞留していることになる。

 農水省は小売業者や中食・外食業者への流通の遅れについて「備蓄米は通常の取引とは違うためさまざまな調整や報告などの事務作業に時間がかかっている」と説明している。

 放出した備蓄米約21万トンのうち、約94%を落札した全農は4月中に、卸売業者に約5万5000トンを出荷する計画を発表しており、店頭への流通は今後加速する見込みだという。

 また農水省は30日、3回目の政府備蓄米の入札結果を発表した。6事業者が入札に参加し、落札数量は10万164トン(落札率99・97%)だった。

 平均落札価格は、玄米60キロ当たり税込み2万1926円。前回より454円安く、これまでの入札で最も低かった。

 5キロ当たりで換算すると、1827円相当で落札した集荷業者に引き渡されることになる。入札は4月23~25日に行われ、全て2023年産の古米が対象となっている。【中津川甫】

毎日新聞

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