相手エースに「やっと来たな」 智弁学園の大逆転劇 センバツ

2026/03/27 18:05 

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 ◇選抜高校野球大会準々決勝(27日、甲子園)

 ◇○智弁学園12―8花咲徳栄●

 センバツ史上最大の逆転劇。互いに切り札として温存していたエースの登板が、明暗を分ける形となった。

 一時は8点差を付けられた智弁学園は、2点差に詰め寄って迎えた五回、1点を奪った。なおも2死一、三塁と攻め立て、花咲徳栄のエース右腕・黒川凌大(りょうた)を引きずり出した。

 打席に入った2番の志村叶大(かなた)は気持ちで負けていなかった。むしろ「よし、やっと来たな」と思ったという。

 黒川のことは入念に研究・対策しており、狙いも定めていた。「直球に強さがあるからこそ、芯に当たれば打球が飛ぶ」

 高めに入ってきた2球目をしっかり振り抜いた。右中間を真っ二つに破り、2者が生還。試合をひっくり返した。志村は「同点になったらいいと思っていたが、想定以上のことが起きた」と二塁上で喜んだ。

 試合の立ち上がりも想定外だった。

 公式戦初先発の左腕・田川璃空(りく)が一回に3四球を与えて5失点。続く2人も相手の勢いを止められず、二回までに8点を失った。

 捕手の角谷(かくたに)哲人は「3失点くらいは想定していたけど……」と焦る気持ちがあった。小坂将商(まさあき)監督も「どないしようかなと思いました」という展開だったが、諦めなかった。

 苦境でチームに勇気を与えたのは絶対的エースだった。二回に1点を返すと、2回戦まで一人で投げ抜いていた左腕・杉本真滉(まひろ)が三回から登板し、疲れを見せず相手の中軸をゼロで抑えた。

 殊勲打の志村はこの時、「もうここから点が入ることはない。後は打つだけだ」と思えた。そこから打線に火が付き、一気に相手をのみ込んだ。

 2006年から指揮し、センバツ優勝経験もある小坂監督が「あいつらもなかなか、やりますね」とたたえる劇的勝利。チームの一体感は一層高まる。【円谷美晶】

毎日新聞

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