◇◯柏レイソル５―０ガンバ大阪●（１８日・パナソニックスタジアム吹田）

　スタンド上部に位置取った「カナリア」色のサポーターの歌声が大阪・吹田の空に気持ちよく響き渡った。柏がガ大阪に大勝し、首位・鹿島に勝ち点３に迫る暫定２位に浮上。「攻守にわたってパーフェクトに近い形の試合ができた」。リカルド・ロドリゲス監督は親指を立て、誇らしげに観客に掲げた。

　試合前の予想と異なり、ガ大阪は３バックで臨んできた。柏は短いミーティングをしただけで虚を突かれることはなかった。これまでの積み重ねに自信があったからだ。

　前半７分、小泉佳穂が右サイドを抜け出すと見事な切り返しで相手の守備をかわし、先制点を挙げた。２０分までに計３点を挙げた後、小泉は「もっと取りに行くぞ！」と声を掛け、仲間の祝福を手短に終わらせ、攻撃に戻った。結果的に今季最多の５得点をマークし、得失点差でも鹿島などとの差を詰めることに成功した。

　主力にけが人が相次ぎ、一時停滞したチームが息を吹き返している。リーグ戦では８月下旬から８試合負けなし。２戦合計で争われたＹＢＣルヴァン・カップ準決勝の第２戦では川崎相手に４点を奪って大逆転とまさに波に乗っている。戦術面の浸透に加え、６月に特別指定選手として東洋大から加わった山之内佑成が今季初先発で攻守に躍動し、全てが好転している状況だ。

　優勝を争う上位陣を見渡しても、調子だけ見れば一つ抜けているか。残りは４試合。「目の前の試合を大事に戦えているのが今の良いところ。これを続けたい」と小泉。大団円に向け、結束している。【生野貴紀】