安青錦、12場所連続勝ち越し 賜杯のカギ握る21歳 大相撲秋場所

2025/09/23 22:30 

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 ◇大相撲秋場所10日目(23日、東京・両国国技館)

 ◇○安青錦 寄り切り 伯桜鵬●

 21歳の安青錦が22歳の伯桜鵬との新鋭対決を制し、勝ち越しを決めた。これで2023年秋場所での初土俵から、新三役でも負け越しなし。ただ、本人は「ここが目指すところではない。これから」と満足していない。

 安青錦は頭から当たって左四つに組み、頭を低くして下手を取った。伯桜鵬に右の腕を返されかけるが、逆にはじき返し、強烈な右おっつけ。これで相手の上体を起こし、厳しい取り口で寄り切った。

 ウクライナから来日し、2年前に初土俵を踏んだ時は体重125キロだった。今なお140キロで幕内では軽量に入る。

 師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)は「一度に多くは食べられない」と愛弟子を語る。ただ、「おかみから『親方は、こうしていたよ』などと教えてもらってきたようだ」。さまざまな人々にも助けられながら、体を大きくしてきた。

 大相撲で序ノ口から土俵生活を始める力士は、初土俵場所で「前相撲」を取り、その成績を基に翌場所で初めて番付に名前が載る。勝ち越しや負け越しが始まるのは、初土俵の翌場所からになる。

 安青錦は序ノ口14枚目に初めて名前が載った23年九州場所から12場所連続の勝ち越しだ。ただ、本人は「特別な思いはない」。

 理由は目標が、さらに上に向いているからだ。「三役に上がったら、上を目指さないと」。もう大関を見据える。

 今後は全勝の豊昇龍との対戦が組まれるのも確実だ。「場所を盛り上げられるよう、お客さんが喜ぶ相撲を取りたい」。番付を駆け上がってきた新鋭は終盤戦、賜杯の行方の鍵も握る。【飯山太郎】

毎日新聞

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