熊本・くま川鉄道が全線再開 6年2カ月ぶり「地域の希望」

2026/09/20 15:31 

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 2020年7月の九州豪雨で被災した第三セクター「くま川鉄道」(本社・熊本県人吉市)は20日、被害の大きかった人吉温泉(人吉市)―肥後西村(同県錦町)間を含む全線の運行を6年2カ月ぶりに再開させた。人吉市内で記念式典が開かれ、沿線住民らが生活路線の復活に喜びの声を上げた。

 くま川鉄道は、人吉温泉―湯前(同県湯前町)間の全長24・8キロを結ぶ。九州豪雨では付近を流れる球磨川の氾濫で線路や駅に土砂が流入し、車両全5両も浸水して全線不通となった。21年11月に肥後西村―湯前間の18・9キロは再開したが、球磨川第四橋梁(きょうりょう)が流失するなどした人吉温泉―肥後西村間の5・9キロは工事が難航した。バスの代替運行を実施する一方、橋梁の架け替えや被災した駅の移転などの工事を進め、26年7月から試運転を実施していた。復旧費は50億円を超える見通し。

 20日は人吉温泉駅に接続するJR人吉駅で記念式典があり、くま川鉄道の松岡隼人会長(人吉市長)が「地域の希望として未来へ走り続ける」とあいさつ。米を原料とする地元名産の球磨焼酎の樽(たる)の鏡割りをした後、小学生による出発進行の合図で記念列車が発車した。

 駅や線路沿いには住民や鉄道ファンが詰めかけた。人吉市の高校3年、豊岡あゆみさん(18)は「友達のところに遊びに行くのもすごく便利になるし、いろんな所に出かけてみたい」と笑顔。福岡県筑紫野市の会社員、山崎成弥さん(56)は「豪雨や地震災害が続く熊本の活気につながると思う」と話した。球磨川の河川敷では「お」「か」「え」「り」と書かれた4枚のボードを掲げ、橋を通る列車を歓迎する姿もあった。

 くま川鉄道は1989年に開業した。人吉・球磨地域の10市町村や地元企業などが出資する。利用者の8割は高校生で、貴重な通学手段となっている。【中村敦茂】

毎日新聞

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