道頓堀ビル火災 府警、致死容疑は立件断念 消防隊員2人死亡

2026/07/14 20:39 

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 大阪・ミナミの雑居ビル火災を巡り、大阪府警は消防隊員2人を死亡させた重過失致死容疑の適用も検討したが、立件を断念した。府警は「複雑かつ特殊な状況が重なった火災で、たばこの不始末と隊員の死亡との因果関係を立証するのが困難だった」と説明する。

 過失責任を立証するには、当事者が危険な結果を事前に予測できたかの「予見可能性」があったかどうかが重要になる。

 今回の火災では、ポイ捨てされたたばこの火が、近くのゴミやエアコンの室外機に燃え移り、さらにビルの壁面看板を伝って急速に延焼したとされる。

 大阪市消防局の事故調査委員会によると、爆発的な燃焼が起きる「バックドラフト現象」が建物内で発生し、逃げ遅れた隊員2人が死亡。今年1月の最終報告書では「現場では想定しがたい火災の進展だった」と指摘している。

 府警はこうした経緯から、男性従業員がたばこを捨てる行為が隊員の死亡につながると予見することは困難だったと判断した。

 過去にはたばこの不始末で重過失致死罪に問われた事例はあるが、アパートで上階の住民が亡くなるなど、出火原因と死亡の因果関係が明確な場合が大半だ。

 また、府警は市消防局の対応についても不備がなかったか調べ、業務上過失致死容疑の適用を検討。複数の専門家の意見を聞いたが、バックドラフトの発生などを予見するのは極めて難しかったと結論づけた。

 ある捜査関係者は「複数の要因が重なって被害が拡大した火災で、刑事責任を問うハードルは高かった」と話した。【大坪菜々美】

毎日新聞

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