郵便局が過疎集落支援 食品販売や見守り 全国初モデルケースに
大分県杵築市の山あいの郵便局に、高齢者らの日常生活をサポートする拠点が開所した。コンビニで取り扱う食品や飲料などの商品を販売するコーナーを設け、局員に困りごとを相談できる体制を整えた。郵便局を活用した全国初の取り組みで、過疎地域での生活を支援するモデルケースになると期待されている。
拠点が設けられたのは、杵築市の中心部から車で15分ほどの山あいに田畑が広がる大田地域。市によると、今年5月末の時点で地域の人口は975人で、65歳以上が占める高齢化率は55・6%に上る。スーパーやコンビニはなく、買い物をできる環境の確保が課題となっていた。
そこで、地域で唯一の大田郵便局のロビーに陳列棚や冷蔵庫を設置。コンビニのミニストップで取り扱う約70種類の商品が買えるようにした。地元住民らに「気軽に来てもらい、ホッと一息してほしい」との思いを込め、「おおたホッとステーション」と名付けた。支払いはキャッシュレス決済限定で、局員が在庫を補充する。
また、市から集落支援員の委嘱を受けた佐藤智恵美局長(53)が、郵便局を利用する高齢者らに声掛けするなどして、異変や困りごとがあれば関係機関につなぐ「橋渡し役」を担う。
今月3日に局内で開所式があり、永松悟市長が「住民が気軽に立ち寄り、安心して相談できる場所となり、人と人のつながりを育む拠点として親しまれることを願う。新たな地域支援の仕組みを構築できるのではないか」とあいさつ。佐藤局長に集落支援員の委嘱状を手渡した後、テープカットした。
杵築市の法人職員、河野信人さん(70)は早速、佐藤局長の助言を受けながら缶コーヒーとお菓子を購入。「この地域にはコンビニがなく、免許を持たない人も多い。お年寄りは助かるのでは」と話した。日本郵便によると、郵便局長が集落支援員として住民の見守り支援や買い物支援を実施する事例は全国初という。佐藤局長は「郵便局は地域に一番根ざした場所。何か悩みがある時は気軽に来て『ホッと』してほしい」と話した。【山口泰輝】
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