「熱かったろう」 下関の寺全焼、犠牲の幼い兄妹ら5人悼む声

2026/03/07 13:18 

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 山口県下関市豊浦町川棚の正琳寺(しょうりんじ)が全焼し、焼け跡から見つかった5人の身元が判明した6日、現場周辺では「熱かったろう」と亡くなった5人を悼む声が聞かれた。【山本泰久】

 亡くなったのは、寺の前住職、岩崎恵弘(えこう)さん(89)▽現住職で岩崎さんの息子の恵水(えすい)さん(58)▽恵水さんの妻智美さん(48)▽恵水さん夫婦の子供の蓮樹(れんじゅ)さん(11)と栞奈(かんな)さん(9)――の5人。

 火災は2月20日未明に発生。寺の本堂兼住居の約730平方メートルと納屋約30平方メートルを全焼し、敷地外の空き家なども焼損した。

 小串署によると、死因はいずれも焼死で、明らかな外傷はなかった。岩崎さんの遺体はトイレ付近から、ほかの4人は庫裏と呼ばれる台所付近から見つかった。

 焼け跡からは灯油を使う暖房器具が見つかったが、火災との関連はわかっていないという。同署は県警捜査1課などと共に、現場周辺の聞き込みをして出火原因などの調べを続けている。

 火災から2週間が経過した現場には「立入禁止」と書かれた規制線が依然張られ、近くにはペットボトルの飲み物や花束の他、亡くなった幼い兄妹を思ってか、ぬいぐるみやお菓子なども供えられている。

 実家が近所という男性は「ここは菩提(ぼだい)寺で、お墓がある。近く命日だからお参りできるかと思ってきましたが」と、規制線を見ながら途方に暮れていた。近所の女性は「亡くなったのは住職一家だろうと思っていた。熱かったろうに。本当に悲惨。子供たちが可哀そう」と声を落とした。

 正琳寺門徒による総代会が近く開かれ、火事の経過報告、今後の寺の運営などについて話し合うという。

毎日新聞

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