「3、2、1」も現れず…沈黙がため息に 「カイロス」三たび延期

2026/03/04 22:20 

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 発射のカウントダウンの後に続いたのは息をのむ沈黙と、意気消沈のため息だった。串本町の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」で4日に予定されていた小型ロケット「カイロス」3号機の打ち上げは三たび延期となり、5日に実施されると発表された。

 発射場の周辺2カ所に設けられた公式見学場にはこの日も600人を超える見物客が詰めかけた。同町の田原海水浴場には平日にもかかわらず家族連れが多く訪れ、発射予定の午前11時前には会場全体で「3、2、1」と唱和。しかし、「ゼロ」の後にも機体は山際から現れず、「中止」の一報が場内放送で流れた。海南市下津町から父親と訪れた小学6年の小川冬真さんは「カウントダウンまでいったので、飛ぶと思った」と残念そうだった。

 同町の県立串本古座高では1、2年生約130人が校舎屋上に集まったが、夢の実現は持ち越された。宇宙探究コース1年の小西祐輝さんは「中止が続き残念。次こそ成功してほしい」と希望をつないでいた。

 同町の田嶋勝正町長は町議会定例会終了後、町議たちと役場から同海水浴場に直行していた。「打ち上げが成功したら、『串本ロケットの日』にする条例案を用意していた」と田嶋町長。今後も初の成功日を町の記念日とするように準備するという。

 一方、打ち上げ事業を行う宇宙ベンチャー「スペースワン」(東京都)は串本町のホテルで記者会見を開き、延期の理由などを説明。阿部耕三執行役員は「国道42号線の交通規制など、ご不便をおかけしてる部分もあり本当に申し訳ない。一方、地元の方々から温かい応援の言葉をいただいており、恩返しの意味でも打ち上げは成功させたい」と決意を新たにしていた。【大澤孝二、加藤敦久、藤木俊治】

毎日新聞

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