島根で27年度にトキ放鳥へ 環境省が了承 本州の生息域広がるか

2026/02/12 09:15 

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 環境省は9日、東京都内で開いた第28回トキ野生復帰検討会で、島根県出雲市が申請したトキ放鳥計画とモニタリング計画(放鳥後の生存状況の把握)を了承した。国の特別天然記念物トキを2027年度上半期、同市稗原(ひえばら)地区で放鳥することが正式に決まった。本州での放鳥は、今年5月31日の石川県能登地域が決まっており、2カ所目になる。【村瀬達男】

 同省によると、トキは08年、新潟県佐渡島で放鳥を始め、24年末には野生の個体が同島で576羽まで増えた。生息域が本州に広がらないのが課題で、同省は22年にトキ放鳥の候補地に能登地域と出雲市を選定し、出雲市トキ分散飼育センター(同市西新町)で幼鳥の飼育を続けてきた。

 この日、環境省会議に出席した飯塚俊之市長が、東京と出雲市役所を結ぶオンライン会議で吉報を伝えると、同市役所に待機したNPOや市職員ら約80人に喜びが広がった。

 出雲市トキ分散飼育センターの設立に尽力したNPO法人「いずも朱鷺(とき)21」の原田孟(つとむ)理事長(87)は「NPOを作って20年になる。お世話になった人たちと一緒に放鳥決定を喜びたい」などと笑顔。稗原地区でトキの餌場を作った農事組合法人「野尻の郷(さと)」の柿本栄・代表理事(76)は「稗原の空をトキが舞う景色を目指したい」と語った。

 また、出雲村田製作所、島根島津、島根富士通の3社合同SDGs(持続可能な開発目標)メンバーは3年前からトキの啓発活動に取り組んでおり、竹下均・島根島津総務課長(46)は「今回の野生復帰の決定は、生態系の回復だけでなく、出雲市の自然環境を次世代に引き継ぐメッセージになる」と話した。

 同市の放鳥計画では27年6月上旬を目標に稗原地区に仮設ケージを建て、1回あたり最大20羽を放つ。詳細は今後、環境省と相談して決める予定。

毎日新聞

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