長生炭鉱調査、異変の状況は? 亡くなったダイバーは洞窟探索の経験も

2026/02/07 20:16 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 7日午後0時10分ごろ、山口県宇部市・床波(とこなみ)海岸沖の海底炭鉱「長生(ちょうせい)炭鉱」で、潜水調査をしていた関係者が「ダイバー1人が潜水中に倒れた」と宇部・山陽小野田消防組合に119番した。男性ダイバー1人を病院に搬送したが、午後2時ごろ、死亡が確認された。県警宇部署と宇部海上保安署が、男性が死亡したいきさつや死因などを調べている。

 ダイバーは、第二次大戦中の落盤・水没事故で朝鮮半島出身者を含む183人が死亡した現場で、遺骨収容を目指し潜水調査に参加していた。市民団体「長生炭鉱の水非常(みずひじょう)を歴史に刻む会」(刻む会)によると、死亡したダイバーは、台湾から来たボランティアの魏修さん(57)。

 午前11時半ごろ、坑口から約300メートル沖合の海面に突き出ている「ピーヤ」(排気・排水用の円筒)から、魏さんら3人の外国人ダイバーが潜水した。先行した他の2人が、魏さんがなかなか来ないことから戻ったところ、魏さんが旧坑道に入る手前のピーヤ内で、けいれんを起こしていたという。

 刻む会による潜水調査は2024年10月、水中探検家の伊左治佳孝さん(37)の協力でスタートした。25年8月の6回目の潜水調査では、旧坑道から通路を経て主坑道に突き当たった付近で初めて人骨を収容した。

 7回目の潜水調査は2月3日に始まり、6日からはボランティアで参加した外国人ダイバーが加わり、昨夏の収容場所付近で、頭蓋(ずがい)骨とみられるものを新たに収容した。魏さんの長生炭鉱での潜水は7日が初めてだった。

 刻む会によると、魏さんは水中洞窟の探索や専門的な潜水調査の経験があり、国際チームの探検にも参加してきたという。魏さんは他のダイバーとともに5日に記者会見した際「私たちのような専門的なダイバーのスキルが必要とされている。長生炭鉱のプロジェクトを聞いて貢献したいと思って参加した」と話していた。

 刻む会は11日まで予定していた潜水調査の中止を決めた。

 床波海岸では7日午前、潜水調査と並行して、刻む会が主催する「長生炭鉱水没事故犠牲者追悼集会」が開かれ、韓国人遺族ら多くの関係者が参列していた。【綿貫洋、小澤優奈】

毎日新聞

社会

社会一覧>

注目の情報