原発事故で公務員宿舎に避難、明け渡し命令が確定 最高裁が上告棄却

2026/01/09 15:04 

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 東京電力福島第1原発事故で福島県から自主避難し、国家公務員宿舎に入居した女性に対し、県が無償提供の終了を理由に住宅の明け渡しと損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は9日、女性側の上告を棄却した。退去と家賃相当分の賠償を命じた1、2審判決が確定した。避難者側の全面敗訴となった。

 裁判官4人のうち3人による多数意見。検察官出身の三浦裁判長は「無償提供を終了させた県知事の判断は自主避難者の居住の安定を損なうもので違法」などと反対意見を述べた。

 判決によると、女性は2011年3月の事故後、福島県南相馬市から東京都内に避難。応急仮設住宅として、江東区の国家公務員宿舎「東雲(しののめ)住宅」の一室が無償提供された。県知事は17年3月、避難指示区域外からの自主避難者への無償提供を打ち切ったが、女性はそのまま住み続けたため、国に使用料を支払う県が20年に提訴した。

 女性側は訴訟で「原発事故という大災害の避難者がいったん入居した応急仮設住宅については、継続的な居住が保障されるべきだ」などと訴えた。しかし、小法廷は、災害救助法に基づく東京都からの一時使用許可が終了したことで、継続居住できる理由がなくなったと判断した1審・福島地裁判決(23年1月)、2審・仙台高裁判決(24年1月)を支持した。

 女性側の代理人弁護士によると、女性は24年4月に住宅明け渡しの強制執行を受け、現在は別の場所で暮らしている。【三上健太郎】

毎日新聞

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