森友用地ごみ、当初算定の4分の1に 撤去費は2億円減 国は売却へ

2025/10/04 18:08 

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 学校法人「森友学園」に格安で一時売却された大阪府豊中市の国有地について、国土交通省大阪航空局は地中ごみを新たに調査した結果を公表した。約5000トンのごみが埋まっており、その撤去費用は6億円超とした。学園への売却時と比べて算定方法は異なるが、ごみの量は4分の1、撤去費用は2億円安い。国は土地の売却に向けた手続きを始めた。

 この土地は国が2016年、ごみの撤去費用8億円余りを値引いて学園に売却。算定根拠があいまいだとして国会が紛糾した経緯がある。ごみに関する新たな調査結果により、値引きの妥当性が改めて問われる可能性もある。

 航空局が3日にホームページで公表した調査結果によると、国有地(8770平方メートル)で校舎が建っていない79地点のうち、66地点の地中(深さ0・5~3・5メートル)からコンクリートやプラスチックの破片が見つかった。

 この結果、航空局は地中ごみの量を5004トンと算出。単価を掛け合わせるなどした撤去費用は、総額約6億3000万円とする見積もりを明らかにした。

 航空局は学園に売却した当時も撤去費用を算定。ごみの総量は計約1万9500トンと見積もり、費用は約8億2000万円としていた。業者の試掘を踏まえ、地中ごみは校舎のくいを打つ場所で9・9メートル、その他は3・8メートルの深さにあると見込んだ結果だった。売却額は土地の鑑定評価額から撤去費用を値引きした1億3400万円だった。

 一連の経緯を調べた会計検査院は17年、地中ごみの撤去費について「十分な根拠が確認できない」として、過大だった可能性を指摘している。

 この土地は元々、近くにある大阪(伊丹)空港の騒音対策で国が所有していた。財務省近畿財務局が窓口となり、小学校の新設を目指した学園に売却。校舎がほぼ完成しながらも学校計画が頓挫し、国が買い戻していた。航空局は今回、土地と建物の一括売却を条件として、自治体や公益法人などを対象とした買い手の募集を始めたことも明らかにした。【藤河匠、土田暁彦】

毎日新聞

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