世界文化遺産候補「飛鳥・藤原」 奈良県民でも「知らない」2割

2025/09/22 11:27 

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 2026年7月にも奈良県内4件目の登録が期待される世界文化遺産候補「飛鳥・藤原の宮都(飛鳥・藤原)」(明日香村、橿原、桜井両市)について奈良県が8月、認知度アンケートを実施したところ「知らない」と答えた県民が2割弱を占めた。19構成資産のうち「行ったことがない」とされたのは「中尾山古墳」(史跡、明日香村)がワースト1位だった。

 県のアンケートは8月6~12日、無作為抽出した県民に郵送で実施。対象は334人で回答率は85・6%(286人)だった。

 「世界遺産を目指す飛鳥・藤原を知っているか」の質問で「よく知っている」が40・2%、「なんとなく知っている」は42・7%。一方、「知らない」の回答が17・1%と2割弱もあった。「構成資産に行ったことがあるか」の質問で「(1カ所も)ない」とする回答も19・2%あった。

 さらに19構成資産別の関心度を調査。「(訪問して)関心を持った資産」は「石舞台古墳」(特別史跡、明日香村)が41・5%と断トツだった。逆に1カ所でも構成資産に訪問した経験がある人に「行ったことのない構成資産」を質問したところ(複数回答)、ワースト1位は「中尾山古墳」で76・3%。2位は「菖蒲池古墳」(史跡、橿原市)70・5%、3位は「檜隈(ひのくま)寺跡」(史跡、明日香村)68・8%だった。

 中尾山古墳は文武天皇陵とする説が有力な八角墳で、国営飛鳥歴史公園内にある。菖蒲池古墳は7世紀中ごろの方墳で石室内にある精巧な造りの家形石棺が常時見学できる。檜隈寺跡は渡来系氏族、東漢氏(やまとのあやうじ)の氏寺とされる古代寺院跡。

 県世界遺産室の担当者は「県民の知名度不足を感じた。世界遺産登録に向け、周知や整備を進めたい」と話している。【皆木成実】

毎日新聞

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