釜山国際映画祭が開幕 渡辺謙さんや坂口健太郎さんらも参加

2025/09/17 21:28 

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 韓国の釜山国際映画祭が17日、10日間の日程で、釜山市の「映画の殿堂」と周辺の映画館で一斉に始まった。30周年となる今年は、巨匠パク・チャヌク監督の新作「No Other Chice(英題)」が開幕映画に選ばれ、注目されている。出品作には話題作も多く、チケットは9月上旬の発売開始と同時にほぼ完売。開幕日にはキャンセル待ちのチケットを購入しようと列ができるなど、例年にない盛り上がりを見せた。

 30周年を記念して、今回はコンペティション部門が新設された。世界から14作品がノミネートされ、日本からは「愚か者の身分」(永田琴監督)など3作品が選ばれた。大賞、監督賞など5部門が最終日に発表される。

 開幕映画は、俳優のイ・ビョンホンさん演じる製紙会社社員が、解雇後に再起のためにライバルをおとしめていくサスペンス。ドラマ「愛の不時着」で日本でも人気のあるソン・イェジンさんが妻役で、ダブル主演となる。

 開幕式に先立つ記者会見では「映画に出てくる製紙産業の衰退は、映画産業も念頭にあるのか」という質問が相次いだ。

 パク監督は「映画の主人公は紙をつくることに人生をかけているが、私にとっても映画製作は人生そのものだ。2時間の娯楽であっても人生そのもの。新型コロナウイルスの流行後、(映画産業は)厳しい状況が続いているが、(回復に)少しでも役に立ちたい」と力説した。

 イさんは「よく聞かれる質問」と話しながら、「俳優よりも映画館が大変。加えて、AI(人工知能)の進化は、監督や俳優の仕事を奪うかもしれない。パク監督にがんばってもらいたい」とジョークを飛ばした。

 開幕式には、新作の上映作品に出演した渡辺謙さん、西島秀俊さん、坂口健太郎さんらも参加した。【堀山明子】

毎日新聞

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