被爆地でなくても核の恐怖伝える 北海道の高校生平和大使が決意
被爆地ではない北海道の高校生が、核兵器の恐ろしさをどうすれば伝えられるのか――。戦後80年の今夏、難題に向き合う2人の高校生が札幌にいる。第28代北海道高校生平和大使の岩山心咲(みさ)さん(17)と山岸莉音(りお)さん(15)。2人は国連欧州本部で被爆国の若者の声を伝えるため、31日にスイス・ジュネーブに向けて出発する。【後藤佳怜】
高校生平和大使は、核兵器廃絶を世界に訴えるために被爆地・長崎で1998年に始まった。きっかけは同年のインドとパキスタンによる核実験。運動は広がり、北海道でも2013年から大使を任命するようになった。今年は18都道府県から24人が選ばれた。
岩山さんは立命館慶祥高2年。幼少期に漫画「はだしのゲン」やアニメ映画「この世界の片隅に」など、広島の原爆を描いた作品に触れた。高校1年時には戦時下の大本営発表について調べた。「日常と地続きになった戦争の姿を知ると、遠い昔の話ではなく自分にも起こりうるとイメージできる」と考えるようになった。
札幌日大高1年の山岸さんは、2年前に広島県で被爆者の体験を聞き、平和大使の活動に興味を持った。
図書館で戦争について調べる中で「戦後60年たってもキュウリの輪切りが怖い。原爆で医療が崩壊した広島で、傷口にキュウリを貼っていたから」という証言に衝撃を受けた。「原爆は一瞬の威力だけが恐ろしいのではない。影響は何十年たっても消えない」と知り、後世に伝えていく必要性を感じた。
真剣な思いで平和大使になった2人だが、国連訪問を前に開かれた集会では道外のメンバーたちとの地域差を実感した。特に広島や長崎の高校生は幼少期から受けた平和教育の積み重ねがある。
「北海道で育った自分たちだからこそ発信できることは何か」。国連で行う軍縮会議の傍聴や英語でのスピーチ、質問に向け、2人は考えた。たどり着いたのは「被爆地から遠く離れた場所でも同じ熱量で風化と闘う高校生がいることを、ありのまま見せる」こと。スピーチ文は8月中旬まで何度も練り直し、思いを伝える準備は整った。
平和大使の任期は1年間。2人は国連訪問での学びをその後に生かすための構想も膨らませている。岩山さんは「日常の中の戦争」を描く絵本作成、山岸さんは被爆者一人一人の人生を伝える小中学生向けの授業実施を目指しており、アイデアには共通の思いがにじむ。「自分たちより幼い世代にも平和の種をまきたい」。戦争の記憶を継承する次世代は、戦後80年のその先を見据えている。
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