「姉の分も生きる」 終戦直後1700人犠牲、三船遭難80年で慰霊祭
樺太(サハリン)からの引き揚げ船3隻が北海道留萌沖で旧ソ連軍の潜水艦に攻撃され、1700人を超える犠牲者が出た三船遭難事件から80年となった22日、現場周辺自治体などによる慰霊祭があった。関係者は犠牲者を悼むとともに事件を後世に伝え続けることを誓い、平和を願った。【横田信行】
終戦直後の1945年8月22日、攻撃された3隻のうち、小笠原丸が増毛町沖で沈没。第2新興丸は大破したものの留萌港にたどり着き、泰東丸は小平町沖で沈没した。
◇事件を語り継ぐ銘板を新設
増毛町が町営墓地にある小笠原丸遭難者殉難之碑前で実施した慰霊祭には、約40人が参列した。
慰霊祭は碑が設置された52年から毎年行われているが、悲劇の記憶が薄れるのを危惧する声を受け、戦後80年の節目に合わせて事件を説明する銘板が新たに併設された。銘板は小笠原丸の写真や事件の経緯、私財を投じて遺骨を収集した元町議の故村上高徳さんについて記している。小笠原丸が旧逓信省(現総務省)所属の海底ケーブル敷設船だった縁で、現在、敷設事業を手掛ける「NTTワールドエンジニアリングマリン」(東京)からの寄付を基に町が設置。堀雅志町長は「平和な社会が続くためにも戦争の悲惨さを語り継いでいくことが必要」と話し、今後も慰霊祭を続けていく考えを示した。
◇姉の分も生きる
また、三船殉難之墓がある留萌市の了善寺でも、犠牲者の遺族らでつくる「樺太引揚三船遭難遺族会」(札幌市)による慰霊祭が営まれた。62年から続けられ、今年も約30人が参列した。
小笠原丸に乗船していた一番上の姉、中山カツイさん(当時21歳)が犠牲になった中山栄子さん(89)と結城よし子さん(85)の姉妹も、増毛と留萌であった慰霊祭に江別市から参列した。一家は樺太で暮らし、カツイさんは看護師として働いていたという。旧ソ連軍の侵攻から逃れるために引き揚げることになったが、爆撃を受けた防空壕(ごう)に一緒に避難していたカツイさんは「大事な任務があるから」と話して家族と別れたのを最後に、事件に巻き込まれた。
達筆で歌もうまかったカツイさんをしのばせる写真と書を持参した2人は、「こうして元気でいられたのは姉ちゃんのおかげ。姉ちゃんの分まで生きるからね」などと亡き姉に声をかけていた。
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